私の臨床アイデア

高周波治療器「i-cure」(コスモデンタル)

アップル歯科院長
柳 時悟 先生
(墨田区)


 そもそも患者さんに歯科治療を痛い・抜かれるというマイナスイメージで捉えられることが嫌で、無痛的で患者・術者ともにストレスにならない治療法はないかと長年模索しレーザーや鍼灸に傾倒、診療にも導入してきました。そして本年6月よりコスモデンタルの高周波治療器i-cureを導入しています。

非接触照射法で抗原抗体反応が高まる。

 いうまでもなくレーザーやi-CUREが万能ではなく、効果が表れにくい人もいます。具体的には(1)免疫力の落ちた人(2)深酒(3)ヘビースモーカー(4)編物(5)グルメや旅行など楽しみに多忙で交感神経優位な人(6)怒りっぽい(7)気持ちが落ち込んでいる・・・・などの要因にも左右されますので、生活習慣などを把握した上での指導も大切です。
 現在の競合過多の状況では、通法で痛みが取れない、治らないという難症例の患者さんに対するアプローチの成否が、患者さんの信頼および経営的な安定につながることは明白です。そこで当院では、東洋医学を併用していますが、その際にもi-cureを活用しています。具体的には、まず予備的な処置としてi-cureの待機電流を利用し患部に非接触で数秒通電した後、経絡にi-cureを10〜60秒程度当てます。すると痛みがスッと引いたという声が多いです。半導体レーザーも同様に経絡に照射しています。レーザーについては、各社のアドバイザーやインストラクターを長年勤め、特に半導体レーザーの開発に関与してきましたがガリウム、アルミニウム、砒素などの混合比によっても効能がガラリと変わりますし、レンズやグラスファイバーの質など多くのファクターによって効能にバラツキが出て、なかにはあまり消炎鎮痛効果のない機種もあります。その点i-cureは、パルス発振など臨床における実践的なメニューが盛り込まれていますし、非接触通電法による抗原抗体反応の促進も期待できます。i-cureの作る電磁場が細胞に作用しているためらしいのですが、臨床応用によっては歯科以外にも内科や皮膚科等で花粉症やアトピーなどにも効果を発揮しますので、患者さんにとって福音になるでしょう。
院長自身のケアにも効果

 私自身根拡処置の患者さんが続くと、診療後指先から肩にかけて腱鞘炎のような痛みが走るのですが、そんな時i-cureで頚椎あたりを通電しておくと、帰宅した頃にはスッと痛みが消失しています。体が資本の我々にとって、自身の体調管理という副次効果ももたらしてくれます。もちろん奥さんの肩凝りにも効いて、喜ばれますよ。

患者さんの信頼の一助に

 いずれにしても歯髄炎、P急発、ペル、知覚過敏、エンドなどすべて保険でも手を抜かず、治療後が良好なら「ここまでやってくれたのだから」と患者さんに納得していただけますし、自費の補綴物で返してくれます。患者さんは、どれだけ手をかけて治療してくれたかをよく観察しています。急発性の疼痛や顎関節症などをi-cureを利用して経絡処置し症状が和らいだり、軽快し納得すれば、自費治療についても「考えておいてね」の一言で済みます。一方、単に通法で痛みが和らげないまま抗生物質と鎮痛剤を投薬して帰すというのでは、信頼も得られず二度と来院されないですね。抜歯症例についても「ただ抜きましょう」では納得しません。何とか数年でも保てば患者さんは納得するし、その間i-cureでスケーリング時の水による疼痛を抑えることができるのと、歯周疾患に有効なことからメインテナンスなどに通院するようになり、かかりつけ歯科医師としての存在感を獲得できるのです。